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東京銀座 茅乃舎

2026.1.09

お正月を寿ぐ

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

2025年11月に開業した「東京銀座 茅乃舎」では、日本の伝統文化を伝えるべく、季節ごとに、作家の技が光る作品を展示しております。

 

今回は「お正月を寿ぐ」をテーマに、美術史家の松原龍一氏にお選びいただいた三作品をご紹介いたします。

 

2月末までの展示ですので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りいただき、日本の美を感じていただく機会となりましたら幸いです。

※餅花飾りは1月15日までとなります。

 2026(令和8)年は、十干十二支では丙午(ひのえ・うま)にあたります。十干の丙は、陰陽五行説では火や太陽、南をあらわし太陽のような明るさやエネルギーを象徴しています。また十二支の7番目にあたる午は、昼の12時を中心とした前後をあらわし丁度12時は、正午として現在でも使われています。また午は、前進、躍動、成功など力強さを象徴するものです。日本では少し違う解釈もありますが、本来の意味では飛躍と向上の歳といえるのではないでしょうか。

 東京銀座 茅乃舎での展示は、まず皆様をお迎えする階段に3体の招き猫を配しています。招き猫は、皆さまご存じのように招福、開運など吉祥の猫です。その先の2階の床間には餅花を配置しその中心には特注の三方に乗せた重要無形文化財保持者(人間国宝)の今泉今右衛門制作の大鉢を配して新春を祝うものです。餅花は、地方によって様々な形や色がありますが、今回は京都の餅花を選びました。柳の枝に紅白の丸めた餅をつけて五穀豊穣とご多幸を祈ります。

 さらに青い壁ケースには日本工芸会人形部会長の中村信喬制作の「神馬」を展示しています。ご存じのとおり神馬は神が乗る神聖な馬でありそれを白馬によって象徴的に示しています。

これらの展示を通して新春を寿ぎ、さらに皆様の御健勝と御多幸を祈念するものです。

 

                                                                         美術史家 松原 龍一

中村 信喬(なかむら しんきょう)

神馬(しんめ)

2025年 陶磁、彩色 日本工芸会理事

 

十干十二支によると今年は、丙午(ひのえうま)にあたる歳です。 十二支の七番目にあたる午は、前進、躍動、成功など力強さを象徴するものです。 さらに今回展示している「神馬」は、神が乗る神聖な馬であり白馬がその任にあたるものです。この神馬は、胴体に赤地に金字の寿を巻き、躍動感溢れ今にも前進しようとする様を上手く捉えた優品です。今年1年の皆様の御多幸と御健勝を祈念する上で最良の作品として展示するものです。

中村 信喬(なかむら しんきょう)

招き猫(まねきねこ)

2025年 陶磁、彩色 日本工芸会理事

 

招き猫は人を招くということで吉祥の象徴として古くから大切にされています。

招き猫の彩色には様々なあり各々意味を持ちますが、展示されている招き猫は、白、三毛、黒の三色です。白と三毛は、招福開運をあらわし黒は、猫が夜目がきくことから厄除安全をあらわすといわれています。その他、金色は金運、赤色は、健康長寿など様々な色があります。また、招いている手も右か左で所説あります。

今回、東京銀座に新店舗を開店するにあたり皆様の招福開運、厄除安全を祈念して招き猫を展示するものです。

14代今泉今右衛門(いまいずみ いまえもん)

色絵雪花薄墨墨はじき境躑躅文鉢(いろえ せっか うすずみ すみはじき さかいつつじもんばち)

2023年 磁器、色絵墨色墨はじき

重要無形文化財保持者(人間国宝) 日本工芸会副理事長

 

この大鉢は、14代今泉今右衛門の独特な技法を用いて制作されています。鉢の地にある雪の結晶のように見える模様は、薄墨はじきにより絶妙に作り出されており、その技法を作者が「雪花」と名付けました。さらに墨はじきと色絵により「境躑躅(さかいつつじ)」を描き、さらに真中の太い白線は滝の流れを示し見事な磁器作品として結実させています。  「境躑躅」は、日本では北海道根室地方の湿原にしか見られない植物で、天然記念物です。常緑の低木で花は5月中旬から6月中旬に咲きます。この一つの鉢の中で様々な世界が共存していますが、それを重要無形文化財保持者(人間国宝)の技により素晴らしいハーモニーを奏でているといえるでしょう。