高地の寒暖差が香り高い山椒を生む
和歌山市街地から車で約2時間。薄暗い林道に入り、切り立った崖のそばを何度もカーブしながら進んでゆくと、山の中腹で視界がひらけ、緑の畑が広がっていた。爽やかな香りとともに、優しげな葉っぱを茂らせているのは、山椒の木々。
ここ和歌山県有田川町は、日本一の山椒の栽培地。450もの農家が自ら組合を作り、質のよい山椒を育てている。
有田川町の中でもとりわけ標高が高い場所にあるのが、花田由弘さんの畑。夏は40度近い酷暑となり、冬は氷点下で雪が積もり、暮らすには厳しい環境だ。だが、この寒暖の差が質の良い山椒づくりに欠かせない。その理由は「寒さから種子を守るために、山椒は皮を厚くするんよ」と花田さん。皮が厚いほど、山椒の香りは高くなる。
ここ和歌山県有田川町は、日本一の山椒の栽培地。450もの農家が自ら組合を作り、質のよい山椒を育てている。
有田川町の中でもとりわけ標高が高い場所にあるのが、花田由弘さんの畑。夏は40度近い酷暑となり、冬は氷点下で雪が積もり、暮らすには厳しい環境だ。だが、この寒暖の差が質の良い山椒づくりに欠かせない。その理由は「寒さから種子を守るために、山椒は皮を厚くするんよ」と花田さん。皮が厚いほど、山椒の香りは高くなる。
収穫は、7月上旬から。約1000本の木から、房ごとに爪の先でひとつひとつちぎっていく。 勾配のきつい斜面で摘み取っていくのは重労働。2人の手は日に焼けてシワが刻まれていた。それでも花田さんは「有田川の山椒は良い」と言われることに誇りを持って、夫婦で力を合わせ、山椒づくりに励んでいる。