熊本県 平飼い卵

鶏の鳴き声が目覚まし代わり。野菜を収穫して、鶏の世話をする。そんな風に、熊本県・南阿蘇で暮らす椛島さんの一日は始まる。住処の前には、野菜畑と150羽が育つ鶏小屋がある。ゆったりと風が通る小屋では、鶏が歩き回っていた。

無農薬で野菜づくりをする椛島さんが鶏を飼い始めたのは、自分の農業を循環させたいという気持ちから。野菜のかけらを餌にして鶏が食べる。鶏糞を発酵させて土に戻せば、地球に負担が少ない農業ができると考えた。

餌に使っているのは、自家農園の無農薬野菜と熊本産小麦、米ぬか、くず米、広島産牡蠣殻、鹿児島産鰹節など。遠く離れた外国産の餌を使うより、自分で確かめた地元産のものなら安心だ。

「僕は、化学物質や人工的な物は使わずに平飼いで育てていますが、それが正しくて、そうでないものが間違いだとは全く思っていません。それぞれに善し悪しがあるので、どちらがいいか選べる自由があることが大切で、そんな社会が豊かだと思うんです」。椛島さんにとっては、自然に近い育て方の方が気持ちいい。ひとりの農家と信頼関係で繋がる安心感を優先している。

卵の黄身は、レモン色。ぷりっと張りのある白身は、普段手にしている卵とは明らかに違う。椛島さんの生産物は、彼らの暮らしの延長線上にあって、その素朴さと正直さが尊い。椛島さんの庭で育ったおいしいもののお裾分けをいただいている気分だ。

文/袈裟丸 茜
撮影/森田麗子


椛島農園

卵、野菜、米の宅配を行っています。
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